保育者の役割 〜心を動かす共感者として子どもに寄り添う〜

毎年3月になると感じることですが、4月から1年間かけて築いた担任との信頼関係を基盤に、集団の中で自分らしさを発揮しながら仲間との関係性も構築し、心も体も一回り大きく成長したことを実感できる時期を迎えました。

子どもにとって担任は、親近感を抱きながら ”尊敬” ”憧れ” 等々の眼差しを送り、自分の気持ちをまるごと受け止め優しく包み込んでくれる、信頼感を寄せることのできる親とは違う不思議な存在です。

そのような特別な存在である担任が、子どもの ”心の成長” を願って日々、色々な言葉をかけます。

その際、私達が一番意識していることは、子どもの気持ちを受け止める前に、こちらの ”思い” や ”考え” を一方的に伝えることがないようにすることです。

子どもの気持ちを受け止めずに、こちらの ”思い” や ”考え” ばかりを押し付けていても、子どもの心は動きません。

いくら信頼関係が築けている担任でも、それは同じことが言えます。

「自分の気持ちを心から受け止めてもらえた!」と感じることができると、子どもは自然とこちらの言葉に耳を傾けます…。

このように、「自分の気持ちに共感してもらえた!」という思いが自分自身の心の中に蓄積されると、他者に信頼感を抱けるようになります。

今後も、気持ちを受け止める共感者として子どもの傍らで寄り添い、心の動きを捉えながら、成長への確かな援助をしていきたいと思う今日この頃です。

「園長との子育て座談会〜“こころ”トークサロン〜」開催

当園ではバス通園をしている園児も多いこともあり、日頃、保護者の方とコミュニケーションを深める機会があまり多くありません。

そこで、園での“子ども達の様子”や“子育て”、更には“保育の意図”等々について保護者の方と共有したいと思い「園長との子育て座談会〜“こころ”トークサロン」 を開催しました。


 

当日はお茶を飲んだり、お菓子を食べながら和やかな雰囲気の中、色々な話ができ、私としても貴重な時間を過ごすことができました。

座談会の中であるお母様が、「子育てをしていると、つい感情的に理不尽に怒ってしまうことがあります…。でも、その晩、子どもの可愛い寝顔を見ると“怒ってゴメンね…”と思うのです…。」
その話を聞いて私は、「子どもの寝顔を見た時、冷静に我に返って反省するだけで、いいんじゃないですか?そのよう思いを子どもに寄せるお母様は素敵ですね!」と、お伝えしました。

保護者の方から、そのような実際の“子育て”のお話を聞き、改めて日々悩みながら“答えのない子育ての仕方”を模索していることがわかり、微力ながら園として保護者の方の悩みを受け止めながら、お力になれれば…と感じました。


 

また、子ども達の遊びの写真を見ながら、写真から捉えることのできる“育ち”を、ゲーム感覚のワークを通して楽しみながら語り合いました。

今後も可能な限り、このような機会を設けて、保護者の方と一緒に子どもの育ちを支えていきたいと思います。


 

子ども達の”気づき”を大切にした遊び…

自由活動の時間に、自分の好きな遊びを見つけ、その遊びに没頭する中で、子ども達は様々な経験をしています。
そのような経験を通して、子ども達に「気づく力=創造力」「見る力=集中力」「考える力=思考力」などの力が養われるように、私達保育者は遊びの環境にちょっとした”しかけ”をしています。

<園庭でトンボを追いかけている子ども達から考えた”しかけ”>
”生き物”に興味を持っている子ども達に対して、「こんな いきもの みつけたよ!」カードを用意する。

 
園で飼っている生き物や園庭で見つけた虫等を観察し、カードに生き物の「絵」を描き、「見つけた場所」を書く。作成者の「名前」も書いてもよい。
 
4粟したカードはケースに入れて、いつでも手にとっと見れるようにしたり、掲示したりする。

このような遊びを通して「観察力⇒集中力⇒表現力」が育ち、その育った力を様々な場面で発揮してもらえたら…と思います。


その他にも、「水の中に色々な物を入れてみたら、いったいどうなる?」といった実験をしてみました。
それを「水の上に浮かんだ物」「水の中に沈んだ物」に振り分け、絵や文字で表現してみる…といった遊びです。

 
ちなみに…公園で拾ってきた「まつぼっくり」を入れてみたり、園内にあったビー玉ををいれてみました。
この遊びは、興味・関心を基に「探究心」が育まれます。

どの遊びも、自ら進んで「やってみたい!」と思えることが、ポイントです。
大人が経験させたい遊びを無理やり強要しても、上記のような”生きる力”は育まれません。
そのために私達保育者は、子どもの心が動くような”しかけ”(環境)の工夫を、日々の保育の中で大切にしていきたものです。

 

さくらんぼの木

札幌ゆたか幼稚園の園庭には、昔からさくらんぼの木が植えられていますさくらんぼ
毎年6月下旬頃には沢山の”さくらんぼ”の実がなり、子ども達から「取りたい!」「食べてみたい!」などの声が聞こえてきます!

今年はそのような声が6月初旬頃から聞こえてきました。

そんなある日…まだ実の色も真っ赤ではなく、大きさも小さい”さくらんぼ”を発見した年長組の子ども達は、何としても「取ってみたい!」と張り切り、自分達でコンテナを積み重ねて手を伸ばしてみたり、「園長先生とって!」とお願いをしたり…と、一生懸命考えたり、自分の思いを伝えたりする”逞しい姿”が見られました。


試行錯誤の結果、自分達の力だけでは中々取ることはできず、また、実も熟していないため、私と相談の末、後日日にちを決めて取ることにしました楽しい

そして、”さくらんぼ”を取ると決めた当日…


1人・2人と取り始めると、いっきに長蛇の列が…
普段並ぶことが苦手な子どもも、自分の自己実現(さくらんぼを取ること)のためなら、我慢をして並ぶことがで
きる
…(子どもってそのようなものですよね!)



さて、「取るのはいいけど全員が食べる分はないのでは?」
そんな悩みも年長の子ども達が中心となり、出した答えは「さくらんぼを真っ二つにして、二人で食べよう!」
子どもながらに考えた答えは本当に素敵です!



先生に援助をしてもらいながら一人ひとり”さくらんぼ”をとったあとは、いつの間にか”さくらんぼ”を洗う係りが誕生していました楽しい
自ら役割を考えて果たそうとする姿も素敵です!



お友達と仲良く”味見タイム!”



時間がなくて”さくらんぼ”を取れなかった子ども達には、整理券を発行してまた明日
さくらんぼ

園庭に植えてある一本の”さくらんぼの木”を保育の環境として捉え、このような子ども達の思いを大切にした主体的な保育を展開することができます。
そこには「試行錯誤の経験を通して育つ考える力」「友達との話し合いを通して育つ協調性」をはじめ、「自己充実感」「満足感」「達成感」等々、様々な心の育ちが溢れています。

私達は子ども達の「感性豊かな心」が育つよう、今後も園内にある全ての環境を活かしながら、子ども達の主体性を大切にした保育を展開していきます!




 

平成27年度スタートに向けて…

   

いよいよ新年度がスタートしましたエクステンション

私達は年度が変わるこの時期に、園内研修の中で園の教育方針をはじめ「活動計画」や「環境」を見直し、子ども達の育ちの方向性を確かめ合っています。
また、前年度を振り返り、仕事の質が向上するよう改めて職場のルールを確認し、初心を忘れず教職員全員で新たなスタートを切ります
楽しい

写真は平成27年度の”スローガン”を決めている様子と、園内清掃のやり方を確認している様子ですイケテル

今年度も子ども達の「豊かな心」が育つよう、教職員全員で力を合わせて頑張ります筋肉

幼小の繋がりの大切さ

 

先日、近隣の小学校と交流をし、年長児と小学校2年生の児童が楽しい時間を過ごしました楽しい

小学校に到着し校舎に入ると…子ども達はあちこちに目がいき大興奮!!
いつもより長くて広い廊下に…ついつい走り出してしまう子もいました(笑)
そして荷物を置くために体育館に入ると、ボルテージが最高潮に! いつもの何倍もの広さに解放感に満ち溢れていました
びっくり

その後は各教室に2年生の児童が案内をしてくれ、「ぱっちんガエル」を一緒に作って遊び、その中で繰り広げられる初対面同士の会話から、初々しさがありつつも、”いきいき”とした表情で互いの距離を縮めようとしている様子に、子ども同士の交わる力を感じた瞬間でした。

最後は体育館で感謝の気持ちを表した「うた」をプレゼントし合い、互いの心が繋がり温かい雰囲気の中、小学校を後にしましたDocomo_kao1

この交流を通して感じたことは、私達幼児教育関係者はもっと小学校現場を知る必要があることです。

幼児期の育ちが、小学校の「生活」や「学習」にどう繋がっていくのか…この答えは小学校の授業を見学し、校内の環境を知り、小学校の先生と対話を重ねていく中で模索するしかありません。

同時に、小学校の先生方にも幼稚園現場に足を運んでもらい、幼児を観察し、保育の営みについて理解を深めてもらうことが、小学校での子どもの育ちを保証することに繋がるはずです。

このような相互関係を深めていくことが、子ども達が「生きる力」を身につけていく上で、欠かすことのできない大切な営みです。
今後も、幼児の育ちを小学校に繋げることが、幼稚園が担う役割だということを肝に銘じ、様々な方法で幼小の交流を深めていきたいと思います。


 

冬到来

 
札幌は昨晩から本格的に雪が降り積もり、いよいよ冬の始まりですゆき雪
早速、園でも今シーズン初の雪遊びを楽しみました手

 
定番の雪だるま作り(アナと雪の女王のオラフも作っていました雪)や雪合戦等はもちろん、木に降り積もった雪を道具を使って落としてみようと試みたり、雪と砂を混ぜて「泥んこシャーベット?結晶」を作ってみたり…

と様々な面白い雪遊びが園庭の至る所で繰り広げられていて、子ども達の感性の豊かさを実感した一日でした楽しい
 


クリスマスツリー

 

今朝、園内では子ども達がクリスマスツリーに群がっていましたツリー
昨晩、ツリー本体だけを教師で組み立て、あとは子ども達で飾り付けを楽しんでもらおうと準備をし、飾り付け用のモール等をツリーの近くに用意をしておいたので、案の定の展開でした楽しい

本園では宗教関係の教育機関ではありませんが、子ども達と一緒にこのような季節行事を楽しむことは、子どもの感性を豊かにする大切な時間だと思います。
自分達で飾り付けしたクリスマスツリーを見て「きれいだなぁ」と思う気持ちは、「美しい心」を育てることに繋がるはずです…。

また、「クリスマスツリーを飾る」体験を通して「もうすぐ12月が来ること」を口々にし、季節の移り変わりを感じている様子も見られ、季節行事の大切さをまた一つ、子ども達から教えられたような気がします。
私達大人は何気ない毎日の中で、小さな変化を見逃さずに子どもと共にその瞬間を大切に過ごせるよう心掛けたいものです…
リース
 

心の状態 〜心の安定は信頼できる大人の存在が必要不可欠〜


子ども達の生活や遊びの様子を見ていると、当たり前ではありますが一人ひとりの園での「心持ち」が改めて“それぞれ”で、常に一日の園生活を通して心境の変化があり、心が動いていることを実感します。

冴えない表情をして登園してきても、その「心持ち」が降園まで続くことはまずあり得ません。
一方で、生き生きとした表情で登園してきても、一日の様々な出来事による心境の変化によって冴えない表情で降園していくこともしばしあり得ます。

このように一日の園生活を通して「楽しい」「嬉しい」「悲しい」「悔しい」等々の、喜怒哀楽な心の動きを経験する中で、人間の内面が形成されていくはずです。
ですから、子ども達の心の成長にとって「正の経験」「負の経験」も必要なことだと思います。

しかしながら一時の「負の経験」は成長過程において必要でも、「負の状態」が何日も何週間も続くことは心が安定している状態とは決して言えません。
子ども達にとって心が安定する絶対的な条件は、両親(家族)の愛情が一番です。そして次に身近な信頼できる大人の存在が、子どもの心の健康を守っているはずです。

そのようなことを考えると幼稚園の先生の存在は、子ども達にとって両親(家族)の次に身近で“かけがえのない存在”であり、「心の拠り所」として傍で見守っていますが、決して両親(家族)の代わりの役割を果たすことはできません。

それぞれの立場で子どもの心に寄り添うことが、子どもの「心の安定」に繋がります。
子どもに愛情を注ぎ、決して「負の状態」だけが続くことがないよう、園と家庭が連携をとりながら子どもの成長を見守っていきたいものです。

 

「いざこざ」〜人間関係の構築に欠かすことのできない経験〜



“いざこざ”は、互いが安心して自分を出し合える関係になり、その中で思いの食い違いや意見のずれが表に現れるようになって、初めて起こるものです。

ですからこの時期(7月頃)の年少児のように自分自身の自己発揮に精一杯な状態の中では、“いざこざ”までは発展することは殆どありません。

友達とのある程度深いかかわりの中から、互いに思いをぶつけ合う“いざこざ”と呼べる状態は、今まさにこれからの年中児(2学期位から)の姿が当てはまると思います。

そのような“いざこざ”を沢山経験し、互いの思いや考えを知り、葛藤や挫折感を味わうことで相手に対する態度を変えていく…そんな過程(プロセス)を経て、この時期(7月頃)の年長児のように友達と関わって遊ぶことの楽しさを実感していくのです。


“いざこざ”は「相手を知り」「自分を知る」ことのできる大切な学びの機会なのです。

以上のことから子ども同士の“いざこざ”の場面を可能な限り見守り、解決(仲直り)することだけに重きを置くのではなく、互いの自己発揮(自己表現)を十分尊重した上で、互いの思いを受け入れ、その後の関係性(深さ・絆)がより豊かになるよう、大人として必要に応じたかかわり(介入)を心掛けていきたいものです。

 

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