3歳児(年少)のごっこ遊び

ある日の朝、自由活動の様子を見ていると、ホッとする微笑ましい「ごっこ遊び」に出会うことができました!

 

園庭の「テーブル」「ベンチ」「ままごとキッチン(遊具)」が置かれているちょっとした空間に、年少児(3歳児)が数人集まり、それぞれの子ども達がイメージを描きながら思い思いに遊びを楽しんでいます。

 

決して明確な役割が決まっているわけではありませんが、聞こえてくる会話からは…「お父さん!はいどうぞ!」「お母さん何ですか?」「私、お姉ちゃんだよね?」「これ、ワカメご飯だよ!」「カレーだよ!」「コショウとかないかな?」「じゃあ、いっぱいいれたよ!」等々、様々な声が飛び交っています。

 

そのような会話と目に入って来る光景からは、どうやら「家族ごっこ遊び?」をしているように見えました。

 

下記の写真は「ワカメご飯」を作っているつもりの子どもと、その様子を見ながら「カレー」と、表現する子どもの様子です。

そのような会話を交わしながらも、それぞれの子どもが別々の遊びをしているようにも見えます。

 

一人ひとりのイメージも異なり、同じ空間にいながらも作っているものをはじめ、やりたい遊びは様々であり、何となく一緒にいる雰囲気を感じました。

すると…、気づいたら1人、2人とその場からいなくなり、3人がそれぞれの遊びを続けていました。                                                                                                     

しばらくすると、さっきまで遊んでいた子どもが砂を持って戻ってきたり、「いーれーて!」と言って新しい子どもが加わったり…と、「家族ごっこ遊び?」はどんどん変化していきます。

「ヘラを使ってご飯(ワカメご飯?カレー?)を作っている子ども」「そこにサラサラの砂(コショウ?)を入れる子ども」「隣で黙々と砂(おかず?)を混ぜている子ども」「鍋で何かを作っている子ども」等々、ごっこ遊びが目まぐるしく展開し、それぞれの描いているイメージに近づけようとする姿が見られました。

このように、突然その場からいなくなったり、戻ってきたり、新しい子どもが遊びに加わったりする「家族ごっこ遊び?」が、およそ20分程続いていました。

このような一連の遊びを見ながら「子どもの育ち」について考えてみると、入園から3ヶ月程の年少児にとっては、ゆるやかな時間の流れの中で自分のやりたい遊びに夢中になり、その過程(プロセス)で友達とのやりとり(まだまだコミュニケーションは一方通行が多いですが…)を楽しむことが、1人ひとりの達成感や満足感に繋がり、友達関係を豊かにするきっかけにもなるでしょう。

 

ここで大切なことは、私(大人)の目には「家族ごっこ遊び」に見えましたが、考えてみると子ども達からは「家族ごっこ遊びをやろう!」や「家族ごっこ遊びをやる人…?」等々の声があったわけではなく、「テーブル」「ベンチ」「ままごとキッチン」が置かれている空間の中で何となく自然発生した「名もない遊び」だったことを理解することだと思います。

 

そのような遊びには当然「始まり」があるわけでもなく、「終わり」があるわけでもありません…。

途中から入って来る子どももいれば、何も言わずに違う遊びをするために場所を離れる子どももいます。

あるいは、いつの間にかその空間にいる子どももいます。

 

遊びの”始まり”や”終わり”が存在しなくても、はたまた”目的”や”イメージ”が違っても、何となく一緒の遊びを共有できる年齢が年少児(3歳児)の自然な姿だと思います。そのような経験を重ねていくと、自分達で確認し合いながら遊びが始まったり、互いにイメージを共有し合いながら協力して遊びを展開したり、最後は互いに納得して遊びを終息させたりする年長児(5歳児)の姿に成長していくことでしょう。

 

この度の遊びの場面は、子ども達が遊びたくなるような物的環境(テーブル、ベンチ、キッチン、砂遊びの道具等々)があり、その場を共有する同じクラスの友達が互いの心を安定させ、十分に遊び込める時間が確保されているからこそ生まれた遊びの場面です。

 

私達は保育のプロとして、そのような遊びが生まれるような「しかけ(環境)」の工夫を常に考え、子どもが主体性を発揮しながら遊び込める援助を心掛けたいものです。